在宅勤務について1


 このたび帝国デ−タバンクよりの依頼で雑文を連載することになりました。
  帝国データバンク(TDB)は日本で一番大きな企業情報調査会社です。
  ここで発行する情報誌のはじっこに私の文章が連載されます。いつまで続くのかわか
りませんが皆様に事前に読んでいただき修正訂正ご意見賜れば幸甚です。

 先頃高崎市の環状線が開通しました。私の待ちこがれていた道路でこれで便利にな
ると期待していました。

ところが黄金週間に開通したせいもあってか以前より混雑しちっとも有難みがありま
せん。僅か数百mを造る為に何年もかけた道なのです。しかも工事は四月上旬に出来
上がっていたのに開通は四月末だったのでよけい待ちこがれていました。せっかくの
道路ですから交差点の改良も含めて円滑な流れを維持するような工夫も取り入れない
と宝の持ち腐れです。

 神戸大震災の時は電話の不通と道路の寸断が被害を拡大した様ですが大災害で神戸
の方は誠にお気の毒さまでした。しかし後から東京大学出版会の「日本の活断層地図」
を見ると神戸は活断層を示す赤の線が集中していて地震が有って当然という地域でし
た。そういう地域で地震対策をなにもしていなかったということはなんと怖ろしいこ
とだったでしょうか。

 東大の本を普段読む人は滅多にいないでしょう、しかし誰かが何かできたらと悔や
まれるできごとでした。

  米国で数年前起きたミシッシピ川の大洪水ではコンピュータと通信のおかげで死者
もなく被害を最小限にする事が出来ました。これは当社と同業の地元の事務機屋がた
またまコンピュータの不良在庫を持っていたせいです。当時ヒューレット パッカー
ド社(HP)がHP95という機種からHP100へモデル変更をしたのでHP95
が大量に不良在庫に成ってしまいました。現在はHP200型で私が普段持ち歩いて
る小さな物です。事務機屋はHP95に無線機アダプターをつけて警察に機械を提供
しました。

 従来なら無線で警察が現場情報を本部に声で伝え、本部はそれをコンピュータに入
力し指揮官が情報を総合し指示を出す、其れを無線で読み上げて現場の警察官につた
える。現場で其れをメモに書き取り被災者に伝えるという手順です。ものすごく手間
と時間がかかるわけですし、聞いた聞かないの間違いが出て混乱します。

 其れが一変しました。警察官は現場で被災状況をパソコン通信の要領で入力し本部
に送信する。 自動的に本部のコンピュータに情報が集まり指揮官は矢継ぎ早に指示
を出す。指示は無線で自動的に現場の警察官に送られ画面に表示された指示書に元ず
き被災者を誘導する。これで効果的な避難が可能になり死者もでなかった。

 神戸には防災無線は有ったが動かなかった。指示を出すべき指揮官も何もできなか
った。残念無念悲しいね。

 米国では道路が発達してはいるが自動車が集中すれば当然渋滞する。時差で出勤し
ても相乗りを奨励しても、間に合わないので在宅勤務を義務ずけた。会社の何割かの
事務員は自宅で仕事をさせ出勤そのものを減らした。この結果渋滞はいくらか緩和し、
ホームオフイスという新市場が出現し、なおかつノースリッジ地震のさいは、被害の
なっかた人の自宅で仕事ができるので企業活動にも支障がなっかたそうである。素晴
らしいことです。

つづく

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